会社更生法の適用を申請した商工ローン大手「ロプロ」(旧・日栄、大阪市)の債権者説明会が5日、大阪市内であった。同社は、顧客から取り過ぎ、返さなければならない「過払い利息」額が推計約2500億円に上ることを明かし、松田一男元社長(87)ら創業家の責任について「最大の関心事。考えられる手段は取っていきたい」と述べた。
説明会には債権者ら62人が出席した。冒頭、家田孝社長ら経営陣が謝罪。旧・日栄時代の暴力的な取り立てによる信用低下や過払い金返還請求の急増が経営を圧迫したと、破綻(はたん)に至った経緯を改めて説明した。
出席者によると、過払い利息の返還請求訴訟で勝訴した自営業者の男性が「返還されるのか」と質問。同社は、裁判で過払い利息の返還が確定したケースが700件以上あるとしたうえで「弁済はいったん禁止され、今後は更生計画案に基づいて(弁済額が)決まる」などと釈明したという。
宮城県亘理町の50代の自営業男性と南三陸町の60代の自営業女性が、融資を受ける諸経費名目で計約20万円分の収入印紙をだまし取られたと、亘理、南三陸両署に届けた。県警は新手の振り込め詐欺とみて警戒している。
県警によると、8月下旬〜9月上旬、2人の自宅兼事務所に融資を持ち掛ける同内容のファクスが送信された。ファクスには実在する大手消費者金融会社の名称と「事業ローン部」という架空の部署名、連絡先の電話番号が記されていた。
男性は300万円、女性は30万円の融資を求めて電話した。男性は5万9000円分、女性は13万9000円分の収入印紙を諸経費として送るよう電話相手の男に言われ、ともに9月11日、指定された東京都の住所に郵送したという。
県警生活安全企画課は「ファクス記載の電話番号ではなく、本社に連絡して真偽を確認し、手続きの前に必ず家族や警察に相談してほしい」と注意を呼び掛けている。
◇債務3兆1000億円なのに資産は38億円−−中小企業経営者ら約2万5700人
「我々は生活がかかっている。少しでも一般債権者に過払い金を返還してほしい」。経営破綻(はたん)した商工ローン大手「SFCG」(旧商工ファンド)に過払い利息の返還を求めている中小企業経営者ら元借り手から憤りの声が上がっている。破産管財人が確保したSFCGの資産はわずか38億円だったのに対し、債権者が届け出た債権は3兆1000億円に上っているためだ。金融機関がほとんどの債権を主張しており、SFCGに過払い利息の返還を求めている元借り手への配当は現時点では1%程度にとどまる見通しだ。【佐々木洋、川崎桂吾、前谷宏】
「力及ばず、最愛の我が子のSFCGを破綻させたことは痛恨の極み。全財産を差し出して償いたい」。SFCGの第1回債権者集会は10月28日に東京都内で開かれたが、大島健伸元社長(61)は体調不良を理由に欠席し、代理人弁護士が約400人の債権者を前に謝罪文を代読した。会場からは「子供の言い訳だ。商工ローン地獄で何人が命を落としたと思っているのか」と怒りの声が響いた。
元借り手をさらに落胆させたのは、金融機関数行が約3兆600億円もの債権を主張したことだった。金融機関の債権が膨れあがったのは、SFCGからローン債権を二重譲渡されたことなどで生じた損害賠償や違約金の請求が相次いだことが原因だった。元借り手の債権者約2万5700人は債権約400億円を求めているが、管財人が把握できたSFCGの資産は約38億円(10月20日現在)。仮に金融機関の債権が全額認められて比例配分すると、中小事業者らへの配当は資産全体の1%程度、4000万円弱にしかならない。
管財人の瀬戸英雄弁護士は集会後の会見で「天文学的数字だ」「配当については額も時期も皆目、見当がつかない」と、金融機関に対して不快感を示した。
管財人が開設したコールセンターには問い合わせが1日約200件あるという。東京都内の会社経営の男性(70)は「破産を前提に資産を関連会社に譲渡するなど、元社長には債務者としての基本的誠意がない。債権の回収は不可能でしょう。怒りを通り越してあきれている」と話した。
過払い金返還などの債務整理事件で弁護士への苦情が増えているのを受け、日弁連は4日、債務者の意向を十分尊重し処理に当たることなどを弁護士に求めた指針が守られているかどうかの実態調査を実施すると発表した。
日弁連は、相次ぐトラブルへの善後策として7月に指針を作成したが、その後も苦情が寄せられていることから、調査が必要と判断。指針の改定のほか、違反すると懲戒理由となる「職務基本規定」にする必要性などについて検討する。
調査は来月中旬まで各地の弁護士会を通じ実施。弁護士会や消費生活センターに寄せられた苦情などを基に、(1)弁護士と直接面談したか(2)債務者に速やかに報告したか(3)過払い金返還請求だけを処理し、残る債務整理はしないといった対応があったか―などについて調べる。
日弁連の多重債務対策本部長代行の宇都宮健児弁護士は「より厳しい措置が必要との意見もあり、検討のためのデータを集めたい」としている。
消費者金融など貸金業向けの支援策を協議する関係省庁の検討会議が月内に発足することが2日明らかになった。
貸金業者は、亀井静香金融相が提唱して臨時国会に提出された「中小企業金融円滑化法案」(モラトリアム法案)の対象外となっている。このため、貸金業者からの借り手で、金融危機の影響で経営が悪化している個人事業主への資金繰り対策の一環として、貸金業を対象とする支援策を政府が検討することになった。
貸金業については、上限金利を現行の29・2%から20%に引き下げ、融資額を年収の3分の1以下に抑える「総量規制」などの規制強化を来年6月までに実施することが法改正で決まっている。これを先取りして、多くの貸金業者が融資を絞っているため、融資を受けられなくなった中小零細事業者や個人商店が増えている。
検討会議は金融庁、消費者庁、法務省の閣僚ら政務三役で構成する。政府関係者は「会議では抜本的な法改正の見直しまでは踏み込めない」とみているが、多くの事業者が決算期を迎える来年3月に向け、何らかの支援策の取りまとめが協議されそうだ。
商工ローン大手のロプロ(旧日栄)は2日、東京地裁に会社更生法の適用を申請したと発表した。負債総額は218億円。顧客が過去に払いすぎた利息の返還を求める過払い金返還の請求額が膨らんだほか、資金調達に行き詰まった。
同日付で前田正宏社長は引責辞任し、新たに家田孝常務が社長に就任した。
ロプロは昭和45年に日栄として設立。中小企業や個人事業主に手形を担保にした融資などを行い、事業を拡大した。だが、平成11年に脅迫的な取り立てが発覚し、松田一男社長(当時)が国会に参考人招致されるなど社会問題化した。融資残高は大幅に減少し、14年にロプロに社名を変更して経営改革を進めていた。
社長に就任した家田氏は記者会見で「過払い金返還による資金流出が止まらず、事業継続は難しいと判断した。(改正貸金業法による)規制強化も重しになった」と述べた。資金調達も厳しく、債務超過に陥る可能性があったという。
また、過払い金は、潜在的なものも含めると約2500億円に上ることを明らかにした。今後、監督委員兼調査委員に選任された弁護士のもとでスボンサー探しなどに取り組むが、再建の行方は不透明だ。
貸金業界では、商工ローン大手のSFCG(旧商工ファンド)が2月に破(は)綻(たん)したほか、消費者金融大手のアイフルも私的整理手続きに入るなど経営に行き詰まる企業が相次いでいる。
来年6月に迫った改正貸金業法の完全施行に伴い、新たに設けられた指定信用情報機関制度では、消費者金融、信販・クレジットカードなどそれぞれの業界が運営する信用情報機関「JICC」、「CIC」などは国の指定機関に認定される必要がり、その正式申請を控え、巷間話題になっているのがコード71の取り扱いだ。
即ち、「過払利息変換請求の実績を個人情報に登録『する・しない』で「コード71」の存続を望む消費者金融業界等と廃止を盛り込んだ金融庁が見解を異にしている。廃止については「過払いビジネス」を謳歌していると指摘され始めた「大量受任司法書士・弁護士」を筆頭に、廃止へ向けて圧力をかけているという。
「過払利息返還請求する人は多重債務者が多い。従ってコード71は多重債務者を生み出さないために必要」というのが業界側の見解であり、「コード71が情報として登録されると新たに借りられなり、過払い金返還請求を思いとどまらせている」主張しているのが「大量受任」の法律事務所などの見解だ。
■「コード71廃止の問題点」
コード71が廃止された場合、「債務者が過去に過払金請求を行ったかを知る手立てを失い、貸金業者としての与信判断のためにJICCへ情報取得を求めても、与信の正確さを欠くことになり、「隠れ多重債務者予備軍」に融資してしまいかねない。その結果さらなる悲劇を生む。債務者に借入ができかのように誤った安心感を与え、改正貸金業法の主旨から大きく外れている。」「過払利息請求を促進させ,国税局から指弾されようとも平気の平左を決め込み、利益追求に血道をあげる大量受任司法書士・弁護士を利する。」と主張している。定義のない「多重債務者」を食い物にする大量受任司法書士・弁護士などの行いは弱者救済どころか、弱者を見殺しにする悪行だ。
弱者救済の主旨に沿うのは「コード71」を残し、適正な与信判断を求め、更なる多重債務者を未然に防ぐ貸金業者サイドの言い分に明らかに理があり、二の足を踏む行政の姿勢には疑問が残る。業を煮やした消費者金融業界、カード業界は9月中旬、相次ぎ当局に「コード71」存続の要望書を提出したが、当局は真摯に受け止めるべきだ。
消費者金融業界、カード業界にとっては、改正貸金業法完全施行に伴う「コード71」の廃止は、「債務者を悪化」と同じことであり不良債権の増加が避けられない。業者も金利を利息制限法内に引き下げるなどの対応を急いでいるだけに、利益圧迫要因として苦慮するところだ。今回の要望書提出については、これ以上利益を圧迫させないために不良債権を増やさないという証拠の現われだ。
■「コード71」廃止による新たな格差
定義なく勝手に名付けられた「多重債務者」は、ほとんどは正常な返済を行う優良債務者だ。コード71廃止でまじめな債務者と「過払金返還請求」した債務者とが区別のない同一扱いになれば、そこには借り手側の不公平さつまり格差が生まれる。
まじめに支払っている債務者にはその努力の成果のクレジットヒストリーが記録され、より高い与信が提供されるが、廃止された場合「過払い請求」後は、あたかもきれいなクレジットヒストリーの債務者が出現してしまう。特に、「コード71」は、「過払金返還請求」する債務者のほとんどは不良債権化し、融資できない債務者だという事実だ。こうした債務者のクレジットヒストリーが優良な債務者と同じに位置づけることが正しいとすれば「新しい格差」を生む「トリック」、官製偽装行為だ。「コード71の廃止はクソみそに加えてお酢を一緒にするようなものだ」(都地谷ソルティエーシャンテク二シャーナ)がいうことも頷ける。
「コード71」を残し、多くの情報提供を受けて与信の精度を向上させ、与信情報をもとに業者等が判断すればいいだけの話だ。「コード71」の対応は近日中に結果がでるだろうが、「弱者救済」と「格差是正」を実現するためには残すことが絶対条件だ。偽装まがいのトリックを用いてまで「コード71」を廃止することは百害あって一利なし。「過払いビジネス」で巨額脱税など悪の根源でしかない
日本弁護士連合会(日弁連)が鹿児島県奄美市に開設した「奄美ひまわり基金法律事務所」の初代所長だった男性弁護士に対し、債務整理を放置されたとして同市の多重債務者の女性が220万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、鹿児島地裁名瀬支部であった。中島基至裁判官は「説明を怠った」と対応の不適切さを認め、158万円を支払うよう命じた。
被告は昨年4月まで約3年間、所長を務めた高橋広篤弁護士(33、現・静岡県弁護士会)。同弁護士は奄美群島で多重債務を負っていた元依頼者14人から総額約4420万円の損害賠償訴訟を起こされており、今回が初めての判決。原告代理人の弁護士によると、公設事務所長が債務整理をめぐって依頼者に訴えられ賠償を命じられた判決は初めてという。
訴状などによると、原告の40代女性は05年5月、高橋弁護士に債務整理を依頼したが、望まない破産手続きをするよう求められ、3年近く手続きを放置されたまま一方的に代理人を辞任された。女性はその後、消費者金融から借金支払いを求められた裁判を起こされ敗訴、給料を差し押さえられて勤め先を休職せざるを得なくなったという。
高橋弁護士は奄美市職員と連携し、多重債務者を迅速・確実に救済する方法を確立。「奄美方式」と呼ばれ、多重債務者救済モデルとして全国の自治体で採用する動きが広がっている。
Author:hash200701
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